2022年3月1日、日本マイクロソフトは「Microsoft 365」「Office 365」の料金改定を開始しました。Office 365をはじめてリリースして以来、初の値上げです。対象となるのは一般企業向けと大企業向けのうち6プランとなります。
「Microsoft 365」と「Office 365」の違い
Office 365とは、「WordやExcelなどのOfficeを、サブスクリプション形式で利用できるライセンス」をさします。2020年4月より「Microsoft 365」に統合されましたが、大企業向けのプランでは一部「Office 365」の名称が残っています。
Officeには大きく「プリインストール版」「永続ライセンス版」「サブスクリプション版」があり、下記のような名称の違いがあります。
- プリインストール版 ⇒ Office Premium xxx
- 永続ライセンス版 ⇒ Office xxx(年号)
- サブスクリプション版 ⇒ Microsoft 365 xxx もしくはOffice 365 xxx
プリインストール版と永続ライセンス版は「1回払いでソフトウェアを買う」イメージで、サブスクリプション版は「月額 or 年額でソフトウェアを利用できる権利を買う」イメージになります。
使い続ける年数によってはサブスクリプション版よりプリインストール版や永続ライセンス版が安くなりますが、従業員の入退社やPC入れ替え、リモートワークにおけるBYOD対応などを考えると、サブスクリプション版の方がメリットがあると考える企業様も多いです。
Microsoft 365 とは、「Officeに加えてWindows OS、端末管理やセキュリティを利用できるライセンスを1つに統合したライセンススイート」をさします。
WordやExcelなどのOfficeアプリが使えることに加えて、
- 勤怠管理、在席管理、業務管理などのマネジメント
- 利用するデバイス、さまざまなテレワーク方式におけるセキュリティ
- 情報共有基盤やチャットやビデオなどによるコミュニケーション
が可能になります。詳細は下記の弊社サービスページをご覧ください。
「Microsoft 365」「Office 365」の値上げ理由
Microsoftは2021年8月19日に下記3点の料金改定理由をあげています。
①2011年6月の Office 365 リリースから料金は改定されていない
②その10年間、25のアプリや1,400以上の新機能が追加された
- コミュニケーションとコラボレーション
Microsoft Teamsのリリース、Power PlatformWhiteboard、Lists、Planner、Shifts、Forms、SharePoint との緊密な統合、Word、Excel、PowerPoint のデスクトップ アプリでのリアルタイムコラボレーション、OneDrive クラウド ストレージと Exchange Online のメールボックスの追加や拡張、コンテンツ検索、電子情報開示、コア訴訟ホールドなどの強力なコンプライアンス機能 - セキュリティとコンプライアンス
攻撃対象領域の削減、メールやドキュメントのデータ損失防止 (DLP)、秘密度ラベル、メッセージの暗号化、組み込みの MDM (モバイル デバイス管理) や、Microsoft エンドポイント マネージャーなどの管理ツール - AI と自動化
生産性アプリやコラボレーションアプリに AI機能の組み込み、AI を活用したリアルタイム翻訳、字幕、文字起こし
③今回の料金改定によって Microsoft は、提供してきた価値をさらに高め、お客様の成功と繁栄を後押しする
新旧価格表
この2021年の発表をもとに日本マイクロソフトは、2022年3月1日からの国内新価格を発表しました。国内の法人向け6プランの新価格(税別)は以下の通りです。
ライセンスプラン | 値上げ前(旧価格) | 値上げ後(新価格) |
Microsoft 365 Business Basic | 540円 | 650円 |
Microsoft 365 Business Premium | 2,180円 | 2,390円 |
Microsoft 365 E3 | 3,480円 | 3,910円 |
Office 365 E1 | 870円 | 1,090円 |
Office 365 E3 | 2,170円 | 2,500円 |
Office 365 E5 | 3,810円 | 4,130円 |
なお、大企業プランのうち「Microsoft 365 E5」の価格に変更はありません。
まとめ
日本では値上げはなかなか理解されないところではありますが、価格改定に見合う価値を感じてもらいたいところです。料金以上に「Microsoft 365」「Office 365」を使いこなせれば問題ない話ではないでしょうか。
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